写真日和

私が撮ってきた写真を載せるブログです。

【FUJIPET】【フィルム写真】谷中

1957年(昭和32年)に、富士フィルムが自社のフィルム販売拡大をするため、今までカメラを使ったことがない人にでも簡単に扱えるように発売された、ブローニー判フィルム使用の低価格カメラのFUJIPETで撮った谷中の光景です

【FUJIPET】【フィルム写真】谷中

【FUJIPET】【フィルム写真】谷中

谷中は、東京都台東区の町名です。
「寺町」と呼ばれるように、寺院が集中しでいる地域です。
江戸時代、上野に寛永寺が建てられ、その付近である谷中にはその子院が建てられ、その後は爆福の政策により慶安年間に神田付近から多くの寺院が移転、明暦の大火の後に勝日した寺院も移転し、寺院が多くなった事に伴い参詣客が増加したことにより江戸の庶民の行楽地として発展していきました。

明治維新以降は、上野戦争では寺院が焼失したことがありましたが、関東大震災第二次世界大戦では被害が奇跡的に少なかったため町並み・建造物が残されている地域として、近所の千駄木、根津(谷中、千駄木、根津は谷根千と言われている)と共に東京に観光しに来た人に人気を集める観光スポットになりました。
江戸幕府最後の将軍である徳川慶喜の墓がある谷中霊園(谷中墓地とも呼ばれます)があり、歴史好きな人が慶喜の墓に行って説明を受けている光景を見かけることもあります。
また非常に猫が多い場所として有名で、その猫の写真を撮りに来るアマプロ問わずカメラマンが多く訪れる街でもあります。

谷中で最も人気があるのが谷中銀座です。
正式名称は谷中銀座商店街振興組合です。
JR日暮里駅西口・地下鉄千代田線千駄木駅道灌山ロ)から歩いていき、夕焼けだんだんを降りるとある商店街です。
大体徒歩3分で着きます。
場所的には、台東区の西北端に位置し、台東区谷中3丁目と荒川区西日暮里3丁目にまたがる近隣型商店街です。
東京の下町の商店街の雰囲気が流れている商店街で、そのため、谷中に訪れた多くの人は、これを味わいたいとここに訪れています。

今日のブログは、東京都台東区谷中付近の写真を載せます。
使用カメラはFUJIPET、使用フィルムはLomography Color Negative 400 120 filmです。
撮影時期は、2013年4月頃です

FUJIPET

FUJIPETで撮った谷中の光景

【FUJIPET】【フィルム写真】谷中
【FUJIPET】【フィルム写真】谷中
【FUJIPET】【フィルム写真】谷中
【FUJIPET】【フィルム写真】谷中
【FUJIPET】【フィルム写真】谷中

FUJIPET

FUJIPET(フジペット)の説明をします。
1957年(昭和32年)に、富士フィルムが自社のフィルム販売拡大をするため、今までカメラを使ったことがない人にでも簡単に扱えるように発売された、ブローニー判フィルム使用の低価格カメラです。 発売されると爆発的に売れたようで「当時のカメラ販売記録を更新するという快挙を成し遂げた」とカメラ関連の本に書かれています。以下の写真はFUJIPETです。

FUJIPET(フジペット)
FUJIPET(フジペット)
FUJIPET(フジペット)

焦点距離75mmの単玉F11レンズ搭載したカメラで、シャッタースピードは1/50秒とバルブの二種類、絞りはF11(開放)、F16、F22の三種類です。
フィルムの入れ方はHOLGAと同じですが、シャッターの切り方はシャッターシャージをした後に、シャッターボタンを押すというSMENA 8Mに似たものです。
マニュアルフォーカスカメラの操作を最低限に抑えた感じで、マニュアルフォーカスに慣れている人なら(個人的にはマニュアルフォーカスカメラの方が簡単だと思っているのですが、最近はデジタルで自動補正するオートフォーカスカメラに慣れた人が多いので、この人らには操作自体が分からないかもしれません)非常に写真が撮りやすいのが特徴です。
このカメラを設計したのは、ヤシカY16を始めとして数々のカメラ設計を手掛けた甲南カメラ研究所長・西村雅貫氏だけに、低価格という制限がある中で、多くのカメラ初心者でも扱えるように丁寧に作ったのが分かるカメラになっています。
そしてデザインが素晴らしいのも特徴です。低価格のカメラとは思えないカッコイイデザインをしています。
ボディに金属も使われているので頑丈です(HOLGAみたいに貧弱ではありません)。
このカメラのデザインをしたのは、東京芸術大学・田中芳郎氏です。
初めて購入するカメラはカッコイイのがいいに決まっています。
持っていてカッコイイとみんなに思われる、そんなデザインになっています。
この二点からこのカメラは、戦後国産カメラ史に残る傑作と言う風に呼ばれていたりします。

写りですが、撮って引き伸ばしをした写真を見ると、初心者向けの最低限に機能を絞った昔のマニュアルフォーカスカメラではありますが、良く写るなって思いました(一部黒つぶれした写真もありますが…それは僕の設定ミスです)。
正直ここまで写るとは思いませんでした。シャッタースピードは事実上固定されていますが(このカメラでバルブは使用しないと思います)、絞りは3つ選択できるので、露出計で適正露出を調べればしっかりした写真を撮れます。
見た目はHOLGAに似てますが、周辺光量落ちも起きませんし、それとは雲泥の差がある素晴らしいカメラでした。さすが天下の富士フイルム、低価格のカメラでも変なカメラは作らないんだなってことが分かりました。

このカメラ、今の概念からすると、誰にでも撮れる低価格カメラというコンセプトなのでトイカメラの部類に入るんでしょうが、HOLGAなどに比べると、キレイな写真が撮れます。
HOLGAとFUJIPETは、高価であるカメラを安く購入出来るようにするために生まれた点では共通してますが、HOLGAが安くするために部品などを安物にしたりしたため欠陥だらけのカメラになってしまったのに対して、FUJIPETはカメラ入門者のための作られてたため、カメラの素晴らしさを知ってもらうように、写りやデザインはしっかり作られています。
HOLGAとFUJIPETを比べるのが変な話かも知れません(HOLGAに分が悪いのは当然です)。
トイカメラとしてではなく、素敵な中判のクラシックカメラとして使用したカメラです。