写真日和

私が撮ってきた写真を載せるブログです。

【FUJIPET】【フィルム写真】日本橋

1957年(昭和32年)に、富士フィルムが自社のフィルム販売拡大をするため、今までカメラを使ったことがない人にでも簡単に扱えるように発売された、ブローニー判フィルム使用の低価格カメラのFUJIPETで撮った日本橋の光景です

【FUJIPET】【フィルム写真】日本橋

日本橋とは

日本橋は、1603年に徳川家康の全国道路網整備計画に際し、架けられたで橋のことです。
現在の日本橋は19代目にあたります。1999年には国の重要文化財に指定されています。

現在の日本橋を中心とした地域は、徳川家康が幕府を開いてから、早くに町地として開発されました。
その後、五街道(家康が全国支配のために作った江戸と各地を結ぶ以下の5つの街道)の基点となり、以降、現三越の前身である越後屋をはじめとする大店が集まり、付近には金座や銀座が置かれるなどもあり、江戸の中で最も賑わう場所となりました。
1868年(明治元年)、江戸府内は東京府となり、維新の混乱により寂れた場所になりましたが、ガス灯や鉄道馬車が敷設されるなどがあったことで、江戸時代の頃のように賑わうようになりました。
1896年(明治29年)には本両替町にあった金座の跡に日本銀行が建てられ、大店の越後屋白木屋が百貨店となり、1908年(明治41年)には越後屋こと三越が洋館の店舗になったことで洋風建築が多くなり、近代的な街となっていきます。
1923年(大正12年)の関東大震災、1945年(昭和20年)の空襲により被害を受けますが、終戦後には復興し現在に至っています。

日本橋というと、お江戸の情緒が流れている、そんな感じを受ける人もいるかもしれません。実際は、日本橋付近には日本銀行本店や東京証券取引所がある日本を代表する金融街であり、老舗の百貨店を含む近代的な商業施設多くある所であり、また大企業などが密集している所であり、そのためか江戸情緒の雰囲気は余り感じさせません。
観光地のノリもありません。
その辺が何だか寂しい感じがしますが、東京のど真ん中である以上、それは仕方がありません。
江戸の中で最も賑わう場所だった日本橋は、今は日本の企業が最も賑わう、そんな街です。

今回の写真は、そんな日本橋周辺の写真を載せます。
使用カメラはFUJIPET、使用フィルムは使用フィルムは、Lomography Color Negative 400 120です。
撮影日は2013年4月22日です。

FUJIPET

FUJIPETで撮った日本橋の光景

【FUJIPET】【フィルム写真】日本橋
【FUJIPET】【フィルム写真】日本橋
【FUJIPET】【フィルム写真】日本橋
【FUJIPET】【フィルム写真】日本橋
【FUJIPET】【フィルム写真】日本橋

FUJIPET

FUJIPET(フジペット)の説明をします。
1957年(昭和32年)に、富士フィルムが自社のフィルム販売拡大をするため、今までカメラを使ったことがない人にでも簡単に扱えるように発売された、ブローニー判フィルム使用の低価格カメラです。 発売されると爆発的に売れたようで「当時のカメラ販売記録を更新するという快挙を成し遂げた」とカメラ関連の本に書かれています。以下の写真はFUJIPETです。

FUJIPET(フジペット)
FUJIPET(フジペット)
FUJIPET(フジペット)

焦点距離75mmの単玉F11レンズ搭載したカメラで、シャッタースピードは1/50秒とバルブの二種類、絞りはF11(開放)、F16、F22の三種類です。
フィルムの入れ方はHOLGAと同じですが、シャッターの切り方はシャッターシャージをした後に、シャッターボタンを押すというSMENA 8Mに似たものです。
マニュアルフォーカスカメラの操作を最低限に抑えた感じで、マニュアルフォーカスに慣れている人なら(個人的にはマニュアルフォーカスカメラの方が簡単だと思っているのですが、最近はデジタルで自動補正するオートフォーカスカメラに慣れた人が多いので、この人らには操作自体が分からないかもしれません)非常に写真が撮りやすいのが特徴です。
このカメラを設計したのは、ヤシカY16を始めとして数々のカメラ設計を手掛けた甲南カメラ研究所長・西村雅貫氏だけに、低価格という制限がある中で、多くのカメラ初心者でも扱えるように丁寧に作ったのが分かるカメラになっています。
そしてデザインが素晴らしいのも特徴です。低価格のカメラとは思えないカッコイイデザインをしています。
ボディに金属も使われているので頑丈です(HOLGAみたいに貧弱ではありません)。
このカメラのデザインをしたのは、東京芸術大学・田中芳郎氏です。
初めて購入するカメラはカッコイイのがいいに決まっています。
持っていてカッコイイとみんなに思われる、そんなデザインになっています。
この二点からこのカメラは、戦後国産カメラ史に残る傑作と言う風に呼ばれていたりします。

写りですが、撮って引き伸ばしをした写真を見ると、初心者向けの最低限に機能を絞った昔のマニュアルフォーカスカメラではありますが、良く写るなって思いました(一部黒つぶれした写真もありますが…それは僕の設定ミスです)。
正直ここまで写るとは思いませんでした。シャッタースピードは事実上固定されていますが(このカメラでバルブは使用しないと思います)、絞りは3つ選択できるので、露出計で適正露出を調べればしっかりした写真を撮れます。
見た目はHOLGAに似てますが、周辺光量落ちも起きませんし、それとは雲泥の差がある素晴らしいカメラでした。さすが天下の富士フイルム、低価格のカメラでも変なカメラは作らないんだなってことが分かりました。

このカメラ、今の概念からすると、誰にでも撮れる低価格カメラというコンセプトなのでトイカメラの部類に入るんでしょうが、HOLGAなどに比べると、キレイな写真が撮れます。
HOLGAとFUJIPETは、高価であるカメラを安く購入出来るようにするために生まれた点では共通してますが、HOLGAが安くするために部品などを安物にしたりしたため欠陥だらけのカメラになってしまったのに対して、FUJIPETはカメラ入門者のための作られてたため、カメラの素晴らしさを知ってもらうように、写りやデザインはしっかり作られています。
HOLGAとFUJIPETを比べるのが変な話かも知れません(HOLGAに分が悪いのは当然です)。
トイカメラとしてではなく、素敵な中判のクラシックカメラとして使用したカメラです。